第11回日本アカデミー賞(1988年)において最優秀作品賞、最優秀主演女優賞(宮本信子)、最優秀主演男優賞(山崎努)、最優秀助演男優賞(津川雅彦)、最優秀監督賞および最優秀脚本賞(伊丹十三)を受賞し、主要部門をほぼ独占した。
板倉亮子................ 宮本信子
花村................ 津川雅彦
伊集院................ 大地康雄
金子................ 桜金造
◆概要◆
これまで厳粛な儀式であったお葬式を初めて取り上げた作品である。初めて出すお葬式に右往左往する家族と、周囲の人びとの姿をコミカルに描いた。そのため暗いタイトルにもかかわらず作中には笑いが溢れており、そのギャップが大きな話題を呼んだ。
伊丹が妻・宮本信子の父親の葬式で喪主となった実体験をもとに、わずか1週間でシナリオを書き上げ、自身の初監督作品として撮影した。
リアリズムを追求する伊丹作品と個性派女優である宮本とのぴったりなマッチングによってできた作品である。
序盤に出てくる侘助・千鶴子夫婦共演のCMは、1983年に伊丹・宮本が共演した味の素「マヨネーズDo」のCMアイデアがそのまま採用された。
笑いが多く含まれている半面、過激な性描写があるとして、教育者や宗教者などから批判される一面も見られたが、表現上高い効果を上げているとの評価も多い。
伊丹はその後の作品でも必ずといってよいほど性表現を織り込んでいる。
◆あらすじ◆
ある日、俳優の井上侘助と妻で女優の雨宮千鶴子は夫婦共演のCM撮影を行っていたが、そこに突然連絡が入る。千鶴子の父・真吉が亡くなったのだ。親族代表として葬式を出さなくてはならなくなった侘助はマネージャー里見の助けを借りつつも途方に暮れる。
千鶴子の母・きく江や千鶴子の妹・綾子夫婦、そして真吉の兄・正吉とともに遺体を伊豆の別荘に運び、お通夜の準備に取り掛かる。葬儀屋・海老原とともに、お通夜当日の朝を迎える侘助達。付人も応援に駆け付けたが、そこには喪服を着た侘助の愛人・良子もいた。
◆出演◆
井上佗介................ 山崎努
雨宮千鶴子................ 宮本信子
雨宮きく江................ 菅井きん
雨宮正吉................ 大滝秀治
里見................ 財津一郎
住職................ 笠智衆
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