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A42 宮尾登美子の2冊 櫂・鬼龍院花子の生涯 

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    2024年3月7日 22:32

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    xjrbb708

  • 出品地域

    福岡県

  • A42 宮尾登美子の2冊 櫂・鬼龍院花子の生涯 _1
  • A42 宮尾登美子の2冊 櫂・鬼龍院花子の生涯 _1
文庫です。 状態は並です。


高知の下町に生れ育った喜和は、十五の歳に渡世人・岩伍に嫁いだ。芸妓紹介業を営み始めた夫は、商売にうちこみ家を顧みない。胸を病む長男と放縦な次男を抱え必死に生きる喜和。やがて岩伍が娘義太夫に生ませた綾子に深い愛をそそぐのだが……。
大正から昭和戦前の高知を舞台に、強さと弱さを併せもつ女の哀切な半生を鮮烈に描き切る。作者自らの生家をモデルに、太宰治賞を受賞した名作。解説・加賀乙彦。

【映画化】
1985年公開。監督:五社英雄。
出演:緒方拳、十朱幸代、石原真理子、草笛光子、名取裕子、森山大蔵 - 島田正吾ほか

本文より
女子(おなご)は年頃になれば、誰に教えられたわけでもないのに、生れた家が己の死場所ではないことが、ひとりでに判って来るように喜和には思える。他家から入って来た里江がこの家に馴染み切ってゆくのと入替りに、この家の娘は此処から出てゆくのが、それもなるべく早く出るのが親孝行なのだと躰からして弁(わきま)えが出来上って来るように喜和には感じられる。
それだけに、岩伍との約束が出来た当座は心が浮き立つように嬉しくて、喜和は思うことをよく何でも口にした。……(本書40ページ)

本書「解説」より
人物がそれぞれ独特で面白い。とくに喜和という女性が、女の弱さと強さと、嫉妬と愛と、喜びと悲しみをそなえて、忘れられぬ造形となっている。夫の岩伍は、短気な乱暴者で博打にふけり家をかえりみない極道者だが、どこか憎めないこっけい味のある男である。綾子の先生たちや友人たちも、それぞれに陰影深く描けていて、作品の奥行きを増す役目を十全にはたしている。長編小説を読む喜びを、この作品は存分にあたえてくれる。
――加賀乙彦(作家)

宮尾登美子(1926-2014)
高知市生れ。17歳で結婚、夫と共に満州へ渡り、敗戦。九死に一生の辛苦を経て1946(昭和21)年帰郷。県社会福祉協議会に勤めながら執筆した1962年の「連」で女流新人賞。上京後、九年余を費し1972年に上梓した「櫂」が太宰治賞、1978年の『一絃の琴』により直木賞受賞。2009(平成21)年文化功労者となる。他の作品に『序の舞』(吉川英治文学賞)『春燈』『朱夏』『寒椿』『宮尾本平家物語』『錦』など。

鬼龍院花子の生涯
大正四年、土佐の高知に侠客業の看板を掲げた鬼龍院政五郎は、飛行機や相撲の興行、また労働争議の調停などで男をうる。政五郎・花子・養女松恵を中心に鬼政一族の浮沈や女たちの葛藤、鬼政一家をめぐる男達の世界を描く。土佐の一侠客を通し、今はうすれゆく仁侠道を浮き彫りにした傑作。